離婚の慰謝料

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離婚成立前から持ち家取得に動いていた私。実際には購入に至らなかった不動産屋さんでのことですが「慰謝料もらえるんでしょ?」的な空気を感じることがありました。「離婚成立したら、まとまったお金が動いたりしませんか?それを資金にね」みたいな。そんなことあるか!

またネット上で「婚姻期間×100万円が慰謝料の相場」なんて馬鹿げた記事を見たことがありますが、離婚で多額の慰謝料だなんてワイドショーの見過ぎです。一般人の離婚の慰謝料なんて余程のことがない限り貰えないか、貰えても微々たるものです。

そもそも慰謝料って不法行為(不貞行為、モラハラ、DV等)によって被った精神的・肉体的苦痛に対する損害賠償金です。不法行為がなければ支払い義務は生じません。離婚理由の第1位は「性格が合わない」ですから、この場合はどちらか一方が悪いとは言えないので通常は慰謝料は発生しません。イメージ商売の芸能人と違って、大金を積んででも守りたい世間からの好感度なんてないですからね。

離婚理由ランキング

 
総    数 17,776 47,908
性格が合わない 1位 10,900 1位 19,380
異性関係 4位 2,637 5位 8,643
暴力を振るう 8位 1,505 4位 10,882
酒を飲み過ぎる 12位 424 10位 3,069
性的不調和 5位 2,326 9位 3,653
浪費する 6位 2,209 6位 5,420
病気 10位 913 11位 1,328
精神的に虐待する 2位 3,322 3位 12,282
家族を捨てて省みない 9位 1,127 7位 4,316
家族親族との折り合いが悪い 3位 2,656 8位 3,655
同居に応じない 7位 1,764 12位 1,165
生活費を渡さない 11位 784 2位 13,551
※複数回答ありなので各理由を足しても総数にはなりません
出典:平成27年 司法統計年報

妻側第2位の「生活費を渡さない」は生活費を渡さない男ですよ。慰謝料を素直に払うわけがないじゃないですか。第3位の「精神的虐待」、第4位の「暴力を振るう」だって、そんな優しくない男が素直に払うワケがありませんし、調停・裁判を起こして慰謝料を請求するとなると「証拠」を示して戦わなければなりません。

この「証拠」が意外と難しいのです。(詳しくはこちら→証拠を握った者が勝つ


証拠を示しやすい不貞や暴力では慰謝料を取りやすいようですが、取れて100万円。婚姻期間の長さ等によって良くて300万円程度。それが揉めて裁判をして勝ち取ったものだとすれば、弁護士費用に100万円近くかかっているので経済的利益として自分の手元に残る慰謝料は…。

不貞・暴力以外の離婚理由は相手の否を立証するのが難しく「お互い様」とされがちです。

高給取りや資産家との離婚か、自分の否を認めて素直に慰謝料支払に応じるような人からでないと高額どころか低額でも慰謝料は簡単に取れるものではないです。

婚姻期間20年以上であれば500万円もあり得るでしょうが、平成25年人口動態統計月報年計概況(厚生労働省)の調査で、結婚5年未満の離婚件数が1番多いという結果になっています。離婚の多くが慰謝料が高額になりにくい結婚5年未満です。

ちなみに請求するだけはタダなので私も弁護士さんと相談の上「慰謝料300万円」を請求しました。結果は慰謝料0円でしたけど…。

私の知り合いの多くは慰謝料0円~30万円程度で離婚しているのが現実です。

最初に書いた不動産屋さんのように「離婚の慰謝料で家を買った」なんて思われていたら心外です。私の持ち家に元夫からのお金なんて一銭も入っていませんから!



 

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